名義変更(相続した車)

 自動車の所有者が死亡した場合、旧所有者から新使用者への名義変更(移転登録)が必要になります。これは、車を買ったばかりでも、廃車寸前でも同様です。名義変更(移転登録)を済ませないと、その後の手続き(車を譲渡、売却、廃車手続きなど)が行えません。(ただし、相続後直ちに売却、譲渡、廃車する場合は、一度に手続きができます。俗にいうダブル移転です。)

 たいていは、車のディーラーさんが仲介してくれるので問題なく手続きできますし、難しい手続ではありませんので、ご自身で行うことも可能です。しかし、管轄の陸運支局で移転登録手続きをしますので、平日に出向く必要があります。


一般的な手続きの流れ(相続による車の名義変更)

 相続が発生してから車の名義変更を行うまでの一般的な続きの流れです。
 実際には、各相続人の状況によって手続きは変わってきます。


1.相続が始まる

 被相続人の死亡によって相続が始まったら、被相続人の所有している車をどうするのか(乗り続けるのか
 売却するのか、廃車にするのか等)全ての相続人で話し合います。しかし、故人の車をどうしようとも、

 車検証に記載されている所有者の名義変更は行わなければなりません。

                        

2.車の名義変更の手続き➀(車庫証明)

 まずは、車庫証明(自動車保管場所証明)が必要かどうかを判断します。車検証記載の故人の住所と新所
 有者の住所が異なっている場合は、車庫証明が必要になります。そして、車庫証明が必要であれば、お住
 いの地域を管轄する警察署で車庫証明を取得する必要があります。警察署から発行された車庫証明書がな
 いと、車の名義変更は行えないからです。一般的に車庫証明を取得するのに4日程かかります。
 →管轄警察署

                        

3.車の名義変更の手続き②(移転登録)

 車庫証明書を取得したら、次は、移転登録(名義変更)です。移転登録は、お住いの管轄の陸運局もしく
 は自動車検査事務所にて行います。

【愛知県の運輸支局、登録事務所】
 支局  管轄地域  所在地
愛知運輸支局  名古屋市、半田市、津島市、常滑市、東海市、大府市、知多市、豊明市、日進市、愛西市、弥富市、あま市、長久手市、愛知郡、海部郡、知多郡 名古屋市中川区北江町1-1-2
TEL:050-5540-2046
小牧自動車検査登録事務所 一宮市、瀬戸市、春日井市、犬山市、江南市、小牧市、稲沢市、岩倉市、尾張旭市、清須市、北名古屋市、西春日井郡、丹羽郡  小牧市新小木3-32
TEL:050-5540-2048
西三河自動車検査登録事務所 岡崎市、碧南市、刈谷市、安城市、西尾市、豊田市、知立市、高浜市、みよし市、額田郡 豊田市若林西町西葉山46
TEL:050-5540-2047
豊橋自動車検査登録事務所 豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市田原市、北設楽郡 豊橋市神野新田町字京ノ割20-3
TEL:050-5540-2049
 管轄運輸支局へ必要書類をすべて持参して行きます。OCRシート第1号と手数料納付書は、窓口で入手できます。あとは記載例を見ながらシートを埋めていけばOKです。所要時間30分~1時間程度ですが、混んでいるともっとかかります。手数料500円がかかりますが、自動車取得税は相続の場合はかかりません。尚、上記手続きする管轄に変更がある場合は、ナンバープレートの取り換えが必要ですので、車を支局に持ち込む必要があります。

                         

4.名義変更完了!!

 運輸支局での手続きが終わり、その日に、故人の名義から新所有者の名義に変更された車検証が発行されます。ナンバーに変更がある場合は、そのまま陸運支局にてナンバープレートを取り代えてもらいます。


弊所では、上記相続による車の名義変更代行を行っております。
お困りの際は、お気軽にご連絡下さい!!




相続人が一人の場合

 相続人がお一人の場合、相続による名義変更には以下の書類が必要となります。

 必要書類 備考   
① 被相続人の除籍謄本 相続人と全ての相続人が確認できるもの。  ご自身で     
② 相続人の印鑑証明書 発行後3か月以内。
③ 自動車検査証 有効期限のあるもの。
④ 保管場所証明書 被相続人と相続人が同一住所であれば不要です。
⑤ 住民票 新使用者の住民票。
⑥ 委任状 実印を押印。代理申請の場合。 
⑦ OCRシート第1号 運輸支局で購入します。 陸運支局で 
⑧ 手数料納付書  500円の登録手数料印紙を添付。
※管轄陸運局が変わる場合は、ナンバープレートが変更になり、陸運支局への車の
 持ち込み(ナンバーの付け替え)が必要となります。
 
                                       

相続人が複数いる場合

 相続人が複数の場合、相続による名義変更には以下の書類が必要となります。

【複数の相続人の内の一人が所有する場合】
 必要書類  備考  
➀ 被相続人の除籍謄本 被相続人と全ての相続人が確認できるもの。 ご自身で
② 新所有者の印鑑証明書 発行後3か月以内。 
③ 自動車検査証 有効期限のあるもの。
④ 保管場所証明書 被相続人と新使用者の住所が同一であれば不要。
⑤ 住民票 新使用者の住民票。 
⑥ 遺産分割協議書  車台番号、登録番号(ナンバー)が明示されてい
ること。
⑦ 委任状  代理申請の場合。新所有者の実印を押印。
⑧ OCRシート第1号 陸運支局で購入します。 陸運支局で 
⑨ 手数料納付書 500円の登録手数料印紙を添付。
※相続人の中に未成年者がいると、家庭裁判所にて未成年者のための特別代理人を選任する必要
 があります。このような場合は、手続きが大変ですので共同相続にすることが多いです。  
【複数の相続人が共同で相続する場合】
 必要書類  備考  
➀ 被相続人の除籍謄本 被相続人と全ての相続人が確認できるもの。 ご自身で
② 共同所有者の印鑑証明書 発行後3か月以内。 未成年者は住民票。
③ 自動車検査証 有効期限のあるもの。
④ 保管場所証明書 被相続人と新使用者の住所が同一であれば不要。
⑤ 住民票 新使用者の住民票。 
⑥ 遺産分割協議書  車台番号、登録番号(ナンバー)が明示されてい
ること。
⑦ 委任状  代理申請の場合。新共有者全員の実印を押印。
未成年者は、親権者名を併記して親権者の実印。
⑧ OCRシート第1号
  OCRシート第9号 
 陸運支局で購入します。 陸運支局で 
⑨ 手数料納付書  500円の登録手数料印紙を添付。

                                       

軽自動車の相続による名義変更

 軽自動車の相続による車の名義変更は、売買、譲渡などの通常の名義変更の手続きとほとんど変わりません。必要書類としては、車検証に記載された所有者の戸籍(除籍)謄本等(被相続人と相続人が親族であることがわかる公的機関発行の書面)が必要なだけです。
 
 中古の軽自動車は価値があまりないと見なされていて、相続人間でその所有権をめぐって争うこともほとんどないようです。したがって、遺産分割協議書も印鑑証明も実印も要求されていません。

 しかし、いくら価値が低いからといっても、遺産は遺産です。新所有者は必ず他の相続人から承諾を得ておくことが望ましいでしょう。

【軽自動車の相続による移転登録必要書類】
 必要書類 備考 
① 自動車検査証
  • 原本
  • 有効期限が残っているもの。
② OCR軽第1号 または 
  申請依頼書
  • 新使用者と新所有者が異なる場合は、両方の押印 。
  • 申請依頼書は代理人が手続する場合。
  • 申請依頼書の印は認印。
③ 新使用者の住民票
  • 発行後3か月以内。
  • マイナンバーが記載されていないもの。
  • 住民票の取得代行できます(追加料金:2,160円)
④ ナンバープレート
 (前後)
  • 使用の本拠の位置の管轄に変更がなければ不要。
⑤ 自動車損害賠償保険証明書
  • 使用者が変わった場合に必要。
⑥ 戸籍(除籍)謄本等
  • 被相続人と相続人が親族であることが分かる公的機関が発行した書面
※相続の場合は自動車取得税はかかりません。

                                       

外国籍の方が名義人である場合の車の相続

 外国籍の方の自動車の名義変更の必要書類及び相続人の選定方法は、亡くなられた外国人の方の国籍によって変わってきます。まずは、被相続人(亡くなられた外国人)の方の「住民票の除票」を取り寄せ、記載事項(国籍、氏名など)を確認しましょう。そして、在日海外公館(外国籍の方の本国)に問い合わせましょう。原則的には、

・国交が樹立されている国→在日海外公館に、本国法に基づいて相続
 人を選定してもらう
・国交が樹立していない国→北朝鮮、台湾については在日民団において相続人を選定してもらう。
 その他の国は、国内法に準じる

お困りの際は、弊所にご相談下さい。